こんにちは。今日はコンタクトレンズの話です。大学病院で当直をしている時に、コンタクトレンズが外れないので今から行ってもいいですか？と夜の2時に電話があったりしました。そんな際に、外す方法を電話で指導しておりましたので、手順をご説明します。これは教科書に載っているものではなく、私が先輩医師から教わった方法です。①洗面器に水を入れる　②その中に顔をつける。③右手で上瞼を引き上げ、左手で下瞼を思い切り引き下げ目を強制的に開ける。④ただし目はつぶろうとし、少し力をいれる。⑤瞼を開けている指で瞼を開きながら、少し外側に押し出すような動作をする。という方法です。電話で指導するとほとんどの場合、これで外すことができてわざわざ病院に来なくてよくなります。この方法の根拠としては、そもそもコンタクトレンズは涙の上に浮かべているものなので洗面器の水に角膜が直接触れることによってコンタクトレンズの間に水が入って外れる。また少し押し出す操作と、目をつぶろうとする操作をやることによって、軽く眼球が変形し、水分がなくなって接着している角膜との間に水が入って外れることがあります。もし、この方法で取れない場合は、コンタクトレンズは取れているが角膜に傷がついている場合などがほとんどです。しかし、過去にみた患者さんの中にはハードコンタクトレンズを数年間入れっぱなしにしていて、角膜が変形してめり込んでいる患者さんもいました。もちろん、強く注意をしましたが、聞く耳を持たずにお帰りになられました・・・医者の無力さを感じる瞬間ですね。コンタクトレンズは正しく使いましょう。感染症などが発症してからでは遅い場合もあります。これも大学病院時代の話ですが、コンタクトレンズ感染の悪化で数週間入院していた方もいました。量販店やネットでコンタクトレンズを気軽に買える時代ですが、使い方を間違えると本当にひどいことになりますので、眼科医の管理のもとコンタクトレンズは使うようにしましょうね。ではまた。。。