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眼内レンズの種類について

[2018.07.10]

こんにちは。今日は、白内障手術において用いる眼内レンズの種類についてお話します。眼内レンズの種類は、大きく分けて二つあります。単焦点と多焦点レンズです。通常の公的保険(国民健康保険・社会保険)による治療で使える眼内レンズは単焦点レンズです。単焦点レンズとは焦点が一点に合うレンズです。要するに眼鏡をかけない状態で、どこか一点にピントを合わせるレンズということになります。よって、遠くに合わせれば、近くや中間を見る時はメガネが必要となります。逆に近くにピントを合わせれば遠くを見る時はメガネが必要になるといった具合です。逆に言うと眼鏡をかけかえれば、どの距離でもピントを合わせることができるということです。一方、多焦点レンズの方は、公的保険の範囲内では、眼内レンズの価格自体が高額なため、使うことができません。よって、公的保険を使わない自由診療であるか、もしくは先進医療の認定施設であれば、先進医療という枠組みで手術を受けることができます。先進医療で手術を受けることによる利点を使うためには、民間の医療保険で「先進医療特約」という項目で契約しているかが大切になります。先進医療特約に契約していると、条件は会社によって様々ですが、多焦点眼内レンズを扱った手術価格に補助が出ます。逆に言うと、先進医療特約に契約していない場合は、それぞれのクリニック、病院が決めている価格での手術が自己負担となります。さて、多焦点と名前はついているものの、どこでもピントが合うというわけではありません。現在では多焦点眼内レンズには大きく分けて三種類あります。二焦点(遠方と近方など)、三焦点(遠方、中間、近方)、焦点深度拡張型です。これらの眼内レンズで共通していることは遠方にピントを合わせるのが基本であり、中間や近方の距離をどのように日常生活で見たいのかによってレンズ選択が異なってきます。本を読むのが好き、スポーツをするのが好き、ピアノを楽譜を見て弾く、パソコンをするなど、生活様式によって選択するレンズが異なってくるのが、多焦点眼内レンズを扱う際に気を付けなければならないことです。一番大切なこととして、多焦点眼内レンズを使用する目的は、眼鏡から開放される時間を増やしたいということであり、物をはっきり見たい方にとっては単焦点眼内レンズの方が良い場合もあるのです。価格が高いレンズだからと言って、高級で誰にでも快適なレンズというわけではありません。よって、眼内レンズを扱う際には、患者さんの要望や性格、生活様式、目の状態など様々なことを考慮した上で、種類を決める必要があり、それを見極める眼科医の経験も重要となってきます。納得いかない場合は、必ずそのレンズのいい点、悪い点を質問しましょう。眼鏡を変える様に気軽に眼内レンズを交換することは難しいのです。やはり説明と同意が大事ということですね。ではまた。。。

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